論文採択(Sensors and Materials 2件)

本研究室からの論文2篇が論文誌(Sensors and Materials)に採録され,オンラインで公開されました.

  • Miki Kawato and Kaori Fujinami; “Acoustic-sensing-based Gesture Recognition Using Hierarchical Classifier”, Sensors and Materials, Vol. 32, No. 9, pp. 2981-2998, 2020. [link]
  • Trang Thuy Vu and Kaori Fujinami; “Personalizing Activity Recognition Models by Selecting Compatible Classifiers with a Little Help from the User”, Sensors and Materials, Vol. 32, No. 9, pp. 2999-3017, 2020. [link]

最初の川戸君(2020年3月博士前期課程修了)の論文は,机の上を指でなぞったときの音で0から9の数字,×,□,△,✓,R,m,・の17文字を識別するためのデバイスとデータ処理方法について考案したものです.認識方法は,従来からあるfeature engineering方式とニューラルネットワークによるfeature learning方式を比較し,さらに認識器の構成も2段階構成と1段階構成を比較しました.その結果,2段階構成のfeature engineering方式を用いることでも最良の0.854の精度(F値)を達成し,近年浸透著しいニューラルネットワークベースの手法が必ずしもベストではないことを示しました.行動認識のようなラベル付きデータを大量に得ることが困難な環境では,注意深く設計した特徴量を用いるfeature engineering方式が良いことが示唆されます.

音ジェスチャ入力デバイス
階層的分類器

2番目のVu(社会人博士3年)さんの論文は,スマホなど個人が携帯するデバイス上で行動認識を行う際に,一番最初に利用者から行動データを提供してもらい,既存の分類器の中から相性が良いものを選んで利用することで高精度な分類を実現するという本研究室で提案するCompatibility-based Classifier Personalizationと呼ぶ手法に関するものです.昨年発表した下記の論文では,最初に対象とする全ての行動のデータを提供してもらうことを前提としていましたが,種類が多いと利用者の負担が増大することが課題でした.今回発表した論文では,事前にハイパーパーパラメータチューニングの要領で収集すべき行動群を絞り込むことで,50%から70%程度の負担で済むことを示しました.

  • Trang Thuy Vu and Kaori Fujinami; “Understanding Compatibility-based Classifier Personalization in Activity Recognition”, In Proceedings of the 1st International Conference on Activity and Behavior Computing (ABC2019), pp. 97-102, May 2019.
  • Trang Thuy Vu and Kaori Fujinami; “Examining Hierarchy and Granularity of Classifiers in Compatibility-based Classifier Personalization”, In Proceedings of the 2019 IEEE 8th Global Conference on Consumer Electronics (GCCE 2019), pp. 553-554, 16 October, 2019.
Compatibility-based Classifier Personalization (CbCP)の概念図