対外発表(UBI87)

富山県富山市で9/17,18に開催された情報処理学会MBL/UBI/ASD/CDS研究会の合同発表会において以下の4件を発表しました(下線は発表者).日中は研究,夜は富山県の名産を堪能しました.

  • 志田原萌美,藤波香織.ドメイン適応を用いたユーザ特化手法の検討〜床拭き掃除時の認知負荷推定のケース.
  • 岩本純,瀬口瑛子,新村毅,藤波香織.烏骨鶏家族の社会関係分析に向けた位置情報活用の検討.
  • 矢野明日香,藤波香織.コンテキストを考慮したVR体験中の実世界アウェアネス支援.
  • 百合草優伽,辻愛里,藤波香織.同調的で親近感を与える実世界投影型エージェントによる思い出振り返り支援.

対外発表(HCGシンポジウム2024)

M2の早川さん,百合草さん,M1の矢野さんが石川県金沢市で開催された電子情報通信学会 HCGシンポジウムにて下記の発表を行いました.

  • 百合草優伽,辻愛里,藤波香織.思い出振り返り支援のための同調的で親近感を与える実世界投影型エージェント,電子情報通信学会HCGシンポジウム2024,Paper ID C-1-2, 2024年12月11日.
システム利用イメージとバックエンドの関係.おもちゃを置くと,それがおもちゃであることを認識したうえで,それにあった発話「このおもちゃで遊びたいな」が出力される.

机の上に投影されるエージェントは,人の顔の向きや表情や周辺の音,タッチに反応して動きや表情を変えます.また,机に置いた物体を認識し,それに合った会話を生成します.実験を通じ,人への反応と物体への反応の両方がエージェントへの親近感を増すことが分かりました.

  • 矢野明日香,辻愛里,藤波香織.ユーザ状態を考慮したVR体験中の実世界アウェアネス支援システム,電子情報通信学会HCGシンポジウム2024,Paper ID P-1-19, 2024年12月11日.
VRアウェアネスシステムの機能構成.

VR体験中に,人の接近や机の上の飲み物を手に取る,重要なメールの通知,など仮想空間のコンテンツに没入していると実世界との関わりが困難になります.一方,ヘッドセットを外したり,実世界映像を全て透過することは没入を阻害することになります.本研究では没入を極力妨げずに,実世界の様子を伝えて(実世界アウェアネス),関わりやすくする手法を提案しています.本研究では,瞬きの同期率,瞳孔径,注視点,注視点の移動速度,手の位置, タスク進行度などを用いて総合的に判定したユーザ状態から支援のタイミングやレベルを決定するというアウェアネス支援を提案しています.

  • 早川侑花,藤波香織,山本淳一,辻愛里.ペグボード課題における自己効力感推定にむけた予期的注視指標の検討,電子情報通信学会HCGシンポジウム2024,Paper ID B-4-2, 2024年12月12日.
自己効力感が高いケースの注視点(赤丸)の移り変わり(左から右に時間が進む).

本研究では,作業に対する自信のほどを表す「自己効力感」の定量的な推定にむけ,巧緻性作業において手の動きに先立って目標地点に視線を向ける「予期的注視」に着目しています.ペグボード課題遂行時のデータ収集機器の開発と予期的注視指標の検討を行いました.データ収集のため,手の加速度および指先の圧力を測定する手袋型デバイスと据え置き型のペグ操作検出デバイスを開発しました.上の図は自己効力感が高いケースにおいて,ペグを右側から左側のボードに移動する場合の注視点(赤丸)を表しており,視線がペグを把持 する直前に操作対象のペグから移動先に瞬時に移動しています.一方,自己効力感が低いケースでは,視線は手の動きに先行して移動しながらもペグの移動経路を追従する傾向が窺えました.このように視線と手の動きの位置や時間の関係を定量化することで,自己効力感の定量化が可能になると考えています.